電力自由化に関する素朴な疑問について
- 2016/3/7
- 電力自由化の知識

4月から始まる電力自由化は日本では初めての試みなので、一般の方はまだわからないことがたくさんあるかと思います。今回は、電力自由化に関する素朴な疑問について見てみたいと思います。
送配電網を「借りる」
新規の電力事業者はどうやって電気を届けてくれるの?と気になっている方もいるでしょう。
これまでは東京電力等の、地域の大手電力会社が送電線を通して電気を安定して送っていました。
インターネットは無線でつながるのが当たり前になってきましたが、電気を届けるのには送電線が必要です。
新規電力事業者はこの送配電の設備を持っていません。では、どうやって電気を届けてくれるのでしょうか?
4月からは、地域の大手電力会社が使っている送配電網を借りて私たちに電気を届けてくれます。
ですので、電力自由化のために急いで作った送配電線を使う、といったことはありません。今まで通りの送配電網を使い、安定して電気を送ってくれるので、停電などのリスクは特にないのです。
電力自由化によって電気料金やサービス等は変わりますが、電気の品質は変わらないので安心してください。
電気料金はどうやって決まる?
電力自由化が始まると、実際に値段は安くなるのでしょうか?
電気料金は基本的に、『基本料金』、『電力量料金』、『燃料費調整額』、『再エネ発電賦課金』によって決まります。
この内、『燃料費調整額』や『再エネ発電賦課金』の2つに関しては法律によって賦課が決まっている為、自由化によって安くすることはできません。
電力自由化で下がる可能性があるのは『基本料金』と『電力量料金』です。『基本料金』は月額固定の料金で、『電力量料金』は使った電気の量を掛け合わせて算出します。
これからは『基本料金』と『電力量料金』が異なる料金プランがそれぞれの会社から出されます。
電気をあまり使わない人は基本料金の安いプランにしたり、反対に毎月たくさん使う家庭では、基本料金は高いけど電力量料金は安いものを選んだりということができます。
また、時間帯や曜日によって料金の異なるプランなどもあります。
電力会社もプランも多いので、調べるのは大変かもしれませんが、自分のライフスタイルに見合ったプランを選ぶことが電力自由化で得をするための方法だと言えます。
電力自由化に向けてできることとは
電力自由化がスタートするにあたり、まずできることは電気への関心を高めることです。
今まで電気に関して無頓着であったという方もいるでしょう。しかし、これからは誰もが電気を選択する時代になります。その選択次第で、電気料金の負担を大きく軽減することも可能となる為、重要となります。そして、まずは自分のライフスタイルを確認することが大切です。
電力自由化と一緒に新しく登場する機器として、スマートメーターというものがあります。
30分ごとの電気使用量の測定が可能で、細かな料金プラン設定の為に重要な役割を果たします。WEBサイトを利用することによって電気使用量を月別、日別、時間別でチェックすることもできます。
スマートメーターを使うことで、自分がどのぐらい電気を使っているのか具体的に確認することができるようになります。
電力自由化に関しての関心はあまり高くない
まだ実際には電力自由化がスタートしていないということもあって、電力自由化に関しての消費者の関心は高くないのが現状です。
4月になって実施されることによって、徐々に関心は高まってくるでしょう。しかし、電力自由化が始まる前に色々な知識を持っておいた方が落ちついて対応できますね。
なにか疑問を抱えている方は、その疑問をまずは調べてみることが大切です。そういった動きによって、電力自由化を乗り切っていけるのではないでしょうか。
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