電力自由化後のイメージ
- 2015/7/22
- 電力自由化の知識

電力自由化というのは、電力事業における市場規制を緩和することで、電力事業に市場競争を導入することを目的として行われる政策のことです。実際に、電力自由化が行われた場合、どのようなことが起こるのでしょうか、それについてのイメージを持っておきましょう。すでに電力自由化がおこなわれている国の電力事業などを見ることでも、それらを知ることが出来るでしょう。
まず、電力自由化によって市場競争が起こることによって、料金プランが安くなることが考えられます。例えば、電力自由化をすでに行っているイギリスでは電力小売り事業者がおり、その中には、日本でいう生協のような協同組合形態をとっている事業者がいます。これは、企業形態が利益をメンバーで折半する非営利目的の会社であるため、大変安い料金プランで電気を供給しています。そのため、消費者は大電力会社と契約していた時よりもずっと安い値段で電気を得ることが出来ています。
また、電力自由化でさまざまな事業が電力事業に参入してくることにより、それぞれ違ったものを売りにした企業が出てくるでしょう。消費者に対する顧客サービスの良さを売りにした企業や、環境面を重視して、自然エネルギーを利用した電力会社などそれぞれ特徴を持った企業がどんどん電力事業に参入することが予想されます。さまざまな特徴を持つ企業の中から、自分に合った電力会社を選ぶことが出来ますので、消費者の満足度を上げることになるでしょう。
消費者はサービスを選ぶ際には、値段だけではなく、さまざまな観点から自由にサービスを選ぶことが普通です。しかしながら新規参入が規制されて自然独占となっている状態では、決められた一つの電力会社からしか電気を買うことができませんでした。2016年に行われる電力自由化によって、電力小売市場が全面自由化されれば、自由に電力会社を選び、電気を購入することが出来るようになりますので、消費者は自身が受けたいと思うようなサービスを、電力会社にも求めることが出来るようになります。その中には、出来るだけ安い値段で電力を利用したいという人や、サポート体制を安心して利用することが出来る企業にサービスを受けたいという人、また、環境面を重視した、環境に優しい電力を使用したいというような、さまざまなものがあるでしょう。これだけではなく、新しいアイディアを持った、斬新な電力小売り会社が誕生するかもしれません。電力自由化後には、電力事業は多様化していくことが予想されます。
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